規格の概要

ISO/IEC 20000とは、ITサービスマネジメントの国際規格です。
ISO/IEC 20000-1(情報技術‐サービスマネジメント‐第1部:仕様)およびISO/IEC 20000-2(情報技術‐サービスマネジメント‐第2部:実践のための規範)から成り、 2005年12月に初版が発行されました。
第1部は、ITSMSを構築・運用するための規格で、認証の基準となるもの、第2部は、ITサービスマネジメントのガイドラインを示すものとなります。
2018年9月にISO/IEC 20000-1:2018が第3版として発行され、これに伴い2020年3月にJIS Q 2000-1:2020が発行されています。
ITサービスマネジメントシステムとは、「サービス提供者が、提供するITサービスのマネジメントを効率的、効果的に運営管理するための仕組みのことです。

対象となる組織

●IT業における、システム保守、運用を行っている組織(例:データセンター、SI業など)
●WEBサイトを通じ、販売、予約等のサービスを提供している組織(例:通信販売業、宿泊予約サイト、チケット予約サイト)

※ISMS(ISO/IEC 27001)をすでに認証取得されている組織様にもお薦めです。

規格要求事項の構成

ISO/IEC20000-1:2018の規格構成は以下の通りです。

1 適用範囲
2 引用規格
3 用語及び定義
4 組織の状況
5 リーダーシップ
6 計画
7 サービスマネジメントシステムの支援
8 サービスマネジメントシステムの運用
9 パフォーマンス評価
10 改善

ITILとの関連

ITサービスマネジメントシステムは、ITILの実施項目をベースとしたものです。
ITILとは、ITサービスのベストプラクティスを集めたフレームワークで、1980年代後半に英国の政府機関が作成・文書化を行い、ITサービスにおける知識・ノウハウが集約されています。

認証取得から得られるメリット

   

●対外的に、自社のITサービスの信頼性を客観的に示すことが可能
●社内的に、サービス業務効率を向上させ、安定したサービスレベルを確保することが可能

世の中のあらゆる産業が「サービス化」を志向する中、ITを使ったサービス提供がビジネスでの重要要素となっています。特にIT産業では「クラウド・コンピューティング」形態が、ますます増加しています。このような環境下では、「ITサービスマネジメント」によるサービスの「品質管理」が必須要件でもあり、他社との差別化ポイントとなってきます。

「クラウド時代」では、ITサービスマネジメントのスタンダードとしてITSMS認証は必須のものとなっております。